梅と桜
歌舞伎舞踊の「京鹿子娘道成寺」は
桜が満開に咲いている、道成寺の鐘の供養の日に、
安珍に捨てられた清姫の亡霊が
美しい白拍子花子となって現れ、
踊りを所望し、踊っているうちに次第に本性を表し
大蛇となって、再び鐘に飛び込んでしまうという踊りです。
「京鹿子娘道成寺」の中間で筋とは全く関係なく、中休みのように
「梅とさんさん桜は、いずれ兄やら弟やらわきていわれぬぇ・・・」
と赤い振出笠(仕掛けで三段に変化する笠)を持って踊る
通称「梅さん」という笠踊りがあります。
歌詞は梅の花と桜の花は区別がつかないと言うのです。
(見に来ているお客様を区別は出来ないという意味)
京鹿子娘道成寺の踊りの映像のHP
http://www.hinokinokai.or.jp/appreciation/20000807.html
梅の花と桜の花、それに桃の花と桜の花、
これを間違える方が時々おられます。
先日も「近所の桜が咲いた」と
梅の写真を送ってこられた方がありました。
植物園などにお花見に行くと
桃の花を「桜の花」と間違える方がけっこうおります。
ここで簡単な梅と桜の花の区別の仕方をお伝えします。
桜の花と梅の花を区別する時、
それぞれの果実の形を思い出してください。
サクランボやリンゴには「枝」がついています。
梅や桃には「枝」が付いていません。
リンゴや桜の花には「小花柄(しょうかへい)」という
「枝」が付いて咲いています。
梅や桃の花には「小花柄(しょうかへい)」がなくて
幹に直接に咲いています。
まとめるとバラ科の花のなかで区別する方法は
バラ、梅、杏,桃、カリン、ビワの花や実には枝が付いていません。
桜、梨、リンゴ、カイドウ、の花には
「小花柄(しょうかへい)」(枝)がついております。
後は葉の形でそれぞれの種類を区別するのですが
これで大体区別できます。
それに桜の幹にだけ美しいヨコシマがあります。
これも桜と他の花木と区別する基準になります。
花