日本モーツァルト協会会員 加藤木昭氏死去 | 花の会

日本モーツァルト協会会員 加藤木昭氏死去

悲しい事をお知らせしなければなりません。
日本モーツァルト協会会員k20の加藤木 昭さんが
この9月28日、肺がんの為72歳で亡くなりました。

モーツァルト生誕200年の記念の年を一年後に控えた
昭和30年(1955)、まだ学生だった加藤木さんは
協会設立案内の新聞記事を見て、協会に参加されました。
それから50年、会員を継続され、
協会の発展のために力を尽して頂きました。

「日本モーツァルト協会のHPから」
http://www.mozart.or.jp/home/home.html

『日本モーツァルト協会は、1955年1月27日
 オーストリアの "ザルツブルク国際モーツァルテウム財団" の
 日本支部として、堀内敬三氏を会長に迎え、設立されました。
 この会は専門家を正会員、一般の聴衆を準会員とするものでした。
 3年間に5回の例会を開催しただけで早くも運営する
 人手がなくなり危機に立たされました。
 これに苦慮した属 啓成(さっか けいせい)氏が
          (当時副会長、1983年より第2代会長)
 準会員に手助けを呼びかけて、運営ボランテイア活動が始まりました。』

会が始まった頃はまだ会員数が少なく会員の増加が目標になりました。
モーツァルトの作品番号の最後の曲のレクイエムにあやかり、
会員数増加の最終目標を 626名 と立てたそうです。
電話局に勤めていた加藤木さんは初めて協会が協会室を開室した時、
末尾番号が 626 となる電話番号を取ってくれました。
その後、部屋を引っ越すたびに 626 を取ってくれて、
現在の渋谷に引っ越す前の日本橋の電話番号は03-3666-6260でした。
現在の渋谷の協会室の電話番号は03-5467-0626で、
FAX番号は03-5467-0466とピアノ協奏曲の21番と20番の番号が並びます。

加藤木さんの会員番号はk20番です。

現在、日本モーツァルト協会の会員には専門家と一般聴衆の区別はなく、
モーツァルトの作品番号の会員数 626名と会員番号待機会員の25名です。
月に一度開かれる例会は今年の10月で通算472回を数えました。

加藤木さんはドイツ系の音楽がお好きだったようで
その中でも特に歌物がお気に入りでした。
外来のオペラやリートの演奏会で良くお会いしました。
20年程前、1950年代に 二期会が日本で初演した時の
『フイガロの結婚』や『薔薇の騎士』等のプログラムを
見せていただいた事があります。

NTTを退職されてから、新国立劇場の資料室に通われ、
オペラ全曲のCDやDVDを楽しまれていました。
5年ほど前、『モーツァルトのオペラ全曲を聞いたので、
今度はワグナーに挑戦する』と話されていました。
しばらくして、『ワグナー全曲を聞いた、疲れた』と、
とても、満足そうでした。
資料室の記録を元に、ご自分で今まで聞きに行った
演奏会の記録も整理されていたようです。
その記録を元に昭和30年代からの日本の音楽会の思い出を
MLに書いて頂こうと思っていたのですが実現しませんでした。

「加藤木さんのコレクションの一部です。」
http://www.asahi-net.or.jp/~tk2k-fkc/mozartfever1.htm

モーツァルトの命日に当たる今年の12月5日(月)の例会は
モーツァルトが死ぬ直前まで作曲していたという
K.626 『レクイェム」(死者の為のミサ曲)を演奏します。
協会ではこの例会を協会設立50周年の最後の行事と位置付けています。
協会が50年も続けてこられたのは、様々な形で支えてくれた
すべての会員の力によるものです、
中には故人となられた方も多いので、レクイエムを演奏して、
モーツァルトとともに、これらの方々のご冥福をお祈りする会となる予定でした。
まさか、加藤木さんまで、その中に入るとは思ってもいませんでした。

加藤木さんの会員番号はK.20で モテット「神はわれらの避け所」です。

モテット「神はわれらの避け所」の作品解説
http://www.marimo.or.jp/~chezy/mozart/op0/k20.html

又は下記のアドレスをクリックして、 Disc: 4で曲の一部を聞く事が出来ます。
沢山の曲が並んでいるので、スクロールして画面を少し下げてください。
画面の下のほうに、Disc: 4が出てきます。

See all 9 tracks on this disc Disc: 4
1. God Is Our Refuge, KV 20 - Motet (Ps. 46:1)
Listen をクリックしてください。い。

http://www.amazon.com/exec/obidos/tg/detail/-/B000004111/102-7208227-0012122?v=glance

音が出ないときは下記のHPをあけて
windows media playerをダウンロードしてください。
http://www.microsoft.com/japan/windows/windowsmedia/9series/player.aspx

来年の1月27日(金)はモーツァルトの250回目の誕生日になります。
協会も、お誕生日をお祝いして、1月27日に例会を開く予定です。
例会の冒頭で加藤木さんの作品番号の曲が演奏される予定になっていました。

http://homepage3.nifty.com/ClassicalSingers/
坂本徹さんの指揮 東京クラシカルシンガーズ+会員有志で演奏されるので
加藤木さんに「一緒に歌ったら」、と申しましたら、
「いや、ぼくは歌わない」と否定されておりました。
奥様のお話では演奏を楽しみにしていたとの事です。
歌好きの加藤木さんはきっと舞台で歌いたかったと思います。
さぞ、心残りだった事でしょう。
12月の「レクイエム」どころか、1月の「モテット」の演奏までもが
加藤木さんの「追悼」の曲になってしまいました。
ご冥福をお祈りします。合掌