桜餅 | 花の会

桜餅

「花よりだんご」向島・長命寺の桜餅の話題です。

 江戸時代、春になると隅田川の向島堤は
江戸で一番、花見客を集め、大いににぎわいました。
花見客を相手に、向島の長命寺で門番をしていた
山本新六が桜の葉を塩漬けにして、
小麦粉の餅で包んで売り出したのが桜餅の始まりと言われています。

当時、桜の葉の塩漬けは「山桜」の葉を使用したので硬く食べられなかった。
長命寺の桜餅は塩漬けの葉を伊豆に自生する「大島桜」の葉を使用したので、
葉が柔かく、香りも良く、葉まで食べられると評判になりました。
長命寺の桜餅の評判に、他の店も真似して、桜餅を製造しましたが
どうしても、長命寺の桜餅に適わなかったといわれています。

長命寺の桜餅屋で大島桜の葉を選んで塩漬けに使う事は
明治時代の中頃まで企業秘密にしていたといいます。

作家の樋口一葉や永井荷風は母上のお土産に
長命寺の桜餅を買いに行ったと日記に書いております。
正岡子規は学生時代、一年ほど、長命寺の桜餅屋の
2階に下宿した事があります。
一葉や荷風を真似て長命寺の桜餅をお土産にした事があります。
母は葉まで、食べられると感激していました。

三つ食へば葉三片や桜餅  高浜虚子

虚子は桜餅を食べた時、葉まで食べなかったようです。


関西の桜餅は京都、車折(くるまざき)神社の境内の
茶店「琴きき茶屋」が考案した「道明寺」が有名。
糒(ほしい)のもち米を乾燥させ、細かく砕いた粉を道明寺粉という、

関西の桜餅は餡が中に有るのと無いのがあり、原料はもち米
関東の桜餅は漉し餡と粒餡があり、原料が小麦粉という大きな違いがあります。


以下読売新聞の記事から、

桜もち 300年の味 「花びら」にモッチリ感

浅草から向島に至る隅田川沿いに桜並木が続く。
向島の「長命寺(ちょうめいじ) 桜もち」は、土手沿いにある店で、
江戸時代に桜もちを考案し、現在も、一年中、桜もちだけを作っている。
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/food/kanmi/20060316gr01.htm?from=os1

http://osaka.yomiuri.co.jp/sakura/read/sr_read04.htm


東京・銀座各店の桜餅
http://www.ginza.jp/tokushu/vol-14/index.html