三木アヤ 短歌の世界 | 花の会

三木アヤ 短歌の世界

今日の桜の歌は別れの歌です。

『三木アヤ短歌の世界』を読みました。
三木さんの短歌集は下記のHPに載っています。
http://members.jcom.home.ne.jp/miki3/

三木アヤさんは大正8年 香川県生まれ、
短歌を北原白秋・宮柊二に師事。
昭和28年、宮柊二の『コスモス』創刊に参加。
又、教育者として、河合隼雄元京大教授に師事、
河合隼雄が日本に紹介したユング派の心理療法
「箱庭療法」を研究、実践、普及に努めました。

昭和60年、66歳の時 桜が散る病院で
お母様を看取られました。
その時に詠まれた歌を3首、紹介します。

 人代り病室変る花明り 
       仄めく窓に母はまぼろし

 雨もよひ昏るる夕べの花沈め 
       万朶の桜木(さくら)を巡らむ死者と

 水の面に散る花びらの鮮しさ 
       季(とき)還りきて桜は咲くを

『第三歌集』1986-(2)「母の呼気」から