花の会 -4ページ目

白州正子と西行

西行の命日は旧暦の文治6年(1190)年2月16日で新暦で数えると1190年の3月30日になる。 西行の命日なので、私が一番印象に残っている、白州正子さんの著書から、西行について書かれた文章を取り上げて、西行の事を追ってみたい。

白州正子著 『花にもの思う春』 白州正子の新古今集 1985年 

第二部 新古今時代の歌人  西行から  241ページ  

これも後鳥羽院の御口伝にある言葉で、『どんな歌でもいと軽々と詠みくだした西行は「生得の歌人」「不可説の上手」と呼ぶより他はなかったであろう。本歌取りや『源氏物語』を思い浮べる前に、西行の詞は次から次へ生れて来て、歌の姿をなして行った。心に思っていることが、そのまま歌の調べとなってあふれ出る、「生得の歌人」とはそうしたものだろう。字あまりや、俗語に、一々かまっている暇などある筈はない。 おそらく西行は、俊成や定家の苦しみは知らなかった。彼の苦しみは、上手な歌を詠むことにはなく、いかに生くべきか、その一事にかかっていた。西行の歌の新鮮さは、そこにある。人間にとって、常に新しく、そして古い問題だからである。』 白州さんが選んだ西行の桜の歌   

同書246ページから

吉野山桜が枝に雪散りて 花遅げなる年にもあるかな

吉野山去年(こぞ)のしをりの道かへて まだ見ぬかたの花を尋ねん

ながむとて花にもいたくなれば 散るわかれこそ悲しかりけれ

春風の花をちらすと見る夢は 覚めても胸のさわぐなりけり

花みればそのいはれとはなけれども 心のうちぞ苦しかりける

さきそむる花を一枝まづ折りて 昔の人のためと思はむ

仏には桜の花をたてまつれ わが後の世を人とぶらはば

ねがはくは花の下にて春死なん その如月の望月の頃


『終りの歌は西行の辞世のようにいわれているが、そうではあるまい。が、人間は心の底から念っていれば、そのとおりになるものらしい。文治6年(1190)2月16日、奇しくも望月のその日に、西行は河内の広川寺において入滅した。お墓は広川寺の裏山に、小さな円墳を築いて祀ってあり、毎年、新暦の4月16日には、里人が集まて供養を行っている。「仏には桜の花をたてまつれ」の詞を守って、住職は境内を桜で埋めることを念願とされ、お参りに行く度ごとに桜の樹がふえて、みごとな花を咲かせているのは有がたいことである。』                                以上

小倉貴久子 モーツァルトを弾く

日本モーツァルト協会 演奏会のお知らせ

テーマ:モーツァルトと周辺作曲家の鍵盤音楽

モーツァルトが影響を受けた作曲家達の曲目と
モーツァルトが影響を受けて作曲した曲目を
2回の演奏会で聞いて頂きます。

第1夜:平成18年4月4日(火)18:45開演
テーマ:西方への大旅行とザルツブルクのモーツァルト
 場所:東京上野・文化会館小ホール

第2夜: 平成18年4月27日(木)18:45開演
テーマ: マンハイム・パリ旅行とウィーンのモーツァルト
 場所:東京上野・文化会館小ホール

演奏者:小倉貴久子
      http://www.h2.dion.ne.jp/~kikukohp/

  東京芸術大学大学院ピアノ科修了。
  第3回日本モーツァルト音楽コンクール、
  ピアノ部門で第1位を受賞。
  アムステルダム音楽院に留学し、
  ヴィレム・ブロンズ氏にピアノを師事すると共に、
  フォルテピアノ演奏の研究を独学で始める。
  1993年、オランダ国家演奏家資格と特別栄誉賞を得て首席卒業。
  同年ブルージュ国際古楽コンクール、
  アンサンブル部門で第1位を受賞(トリオ・ファン・ベートーヴェン)。
  1995年には同コンクール、フォルテピアノ部門で第1位と聴衆賞を受賞。
  昨年秋、ビートたけしのテレビ番組でモーツァルトのピアノ協奏曲を演奏。

  解説: 安田和信


第一夜 4月4日(火)18:45開演のプログラム
  テーマ 西方への大旅行とザルツブルクのモーツァルト

演奏者:小倉貴久子
  解説: 安田和信

 第一部~西方への大旅行~ チェンバロ使用
 モーツァルト:オランダの歌による7つの変奏曲 ニ長調 K.V.25
      参考:http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=412
 J.ショーベルト:ソナタ 作品14-2 変ロ長調
 J.G.エッカルト:ソナタ 作品2-5 ハ長調
 J.Ch.バッハ:ソナタ 作品5-4 変ホ長調

 第二部~ザルツブルクのモーツァルト~ フォルテピアノ使用
 モーツァルト:ソナタ ヘ長調 K.V.280(189e)
      参考: http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=395
 P.D.パラディエス:ソナタ 第3番 ホ長調
 G.Ch.ヴァーゲンザイル:ディヴェルティメント 作品2-4 ト長調
 C.Ph.E.バッハ:ソナタ ホ長調 Wq65/29・H83


第二夜 4月27日(木)18:45開演のプログラム
演奏者:小倉貴久子
 解説: 安田和信
テーマ: マンハイム・パリ旅行とウィーンのモーツァルト

 第一部 マンハイム・パリ旅行のモーツァルト~フォルテピアノ使用
 J.ミスリヴェチェク:ソナタ 第6番 ニ長調
 N.J.ヒュルマンデル:6つのディヴェルティスマン 作品7-6 ヘ長調
 モーツァルト:ソナタ イ短調 K.V.310(300d)
      参考: http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=402

 第二部 ウィーンのモーツァルト~フォルテピアノ使用
   この時代にモーツァルトに影響を与えた作曲家の曲から
 J.A.シュチュパーン:カプリッチョ 第3番 ト長調
 L.A.コジェルフ:ソナタ 作品15-1 ト短調
 モーツァルト:ソナタ 変ロ長調 K.V.570
      参考: http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=410


*曲目等は予告と変わることがあります。

*臨時会員券4,500円は2ヵ月前から販売しています。
  日本モーツァルト協会事務局、(電話03-5467-0626)
  東京文化会館チケットサービス(電話03-5815-5452)

*当日販売学生券 2,000円があります。
*10歳以下の方の入場はご遠慮ください。
*会場での無断撮影、録音は堅くお断りします。

特定非営利活動法人 日本モーツァルト協会
        電話 03-5467-0626
   http://www.mozart.or.jp/
日本モーツァルト協会は1955年に設立された
毎月、モーツァルトの音楽を生演奏で聴いている
会員制の団体です。           以上

『花の会』春期・古典芸能公開講座のお知らせ

haruki 『花の会』平成18年度第二期スケジュールのお知らせ

『花の会』は古典芸能大好きの主婦たちが20年前
狂言師の善竹十郎さんに世阿弥の『花伝書』の講義を
お願いして始まりました。
『日本の古典芸術をより身近なものとして理解し、
人生の糧とすべく共に学び楽しむ』をモットーに
20年間続いている古典芸能鑑賞公開講座です。


① 4月20日(木)午後2時~4時  
       演題:「鶴澤燕三襲名」
       講師:国立劇場文楽プロデューサー 阿部俊夫氏
       会場:世田谷区烏山区民センター・第四会議室


鶴澤燕二郎"六世燕三"襲名の紹介ビデオ
http://osaka.yomiuri.co.jp/movie/index.htm


烏山区民センターの案内
http://www.city.setagaya.tokyo.jp/cgi-bin/sisetu/sisetu.cgi?mode=view&category1=040&category2=020&category3=&no=57

② 5月11日(木)午後2時~4時
       演題:「国立劇場の養成事業」
       講師:国立劇場調査資料課長 北潟嘉久氏
       会場:世田谷区粕谷区民センター・二階会議室
http://www.city.setagaya.tokyo.jp/cgi-bin/sisetu/sisetu.cgi?mode=view&category1=040&category2=020&category3=&no=56

③ 6月8日(木)午後2時~4時
       演題:「坂田藤十郎襲名 Ⅱ」
       講師:松竹歌舞伎プロデューサー 岡崎哲也氏
       会場:世田谷区烏山区民センター・第四会議室

④ 6月22日(木)午後2時~4時
       演題:「今年前半の歌舞伎、文楽」
       講師:演劇評論家 藤田洋氏
       会場:世田谷区烏山区民センター・第四会議室

⑤ 7月6日(木)午後2時~4時
       演題:「伽羅先代萩の衣裳」
       講師:歌舞伎研究家 金森和子氏
       会場:世田谷区烏山区民センター・第四会議室

⑥ 7月27日(木)午後2時~4時
       演題:「元禄歌舞伎の坂田藤十郎」
       講師:共立女子大学教授 近藤瑞男氏
       会場:世田谷区烏山区民センター・第四会議室

会費 4000円 (単独受講は1回900円)
連絡先: nmwtg303@ybb.ne.jp 長谷川まで

中村歌右衛門

3月31日は歌舞伎役者六世中村歌右衛門の命日です。


平成13年(2001)年3月31日
その年は今年のようにいつもの年よりも一足早く桜が満開になりました。
その日は朝から、春の雪が降り、
桜の花びらは降り積もる雪に埋もれてしまいました。
その夕方、月が昇る頃、歌右衛門さんはご自分が舞った時の
常磐津『関の扉』のビデオを聞きながら亡くなられました。


私が歌右衛門さんのお姿を最後にお見かけしたのは
平成12年の5月、藤の花の咲く頃でした。
偶然、歌右衛門さんの家の前を車で通りました。
その日、普段は閉じられている大きな門が開いていました。
運転しながら、門の奥の車寄せを見ると、
歌右衛門さんの白い乗用車のトランクが開いたまま止まっていました。
そして、一瞬でしたが車椅子に座り、運転手の方に押されて、
大きな玄関に入って行く、歌右衛門さんの後ろ姿を見ました。


現在、歌右衛門さんが住んでいた大きな家は
分割されて、12軒の分譲住宅になりました。
その一軒の家の庭には、お庭にあった春紅葉の木が一本、
別の一軒の家の片隅には歌右衛門さんが
大好きだった紅枝垂れ桜が一本植わっています。


先日、家の前を通りましたら、
紅枝垂れ桜の花びらが何輪か開いていました。

西行の歌

この3月14日は満月でした。
夕方、まんまると東の空を昇る大きな月はきれいでした。
翌日の15日は旧暦の2月16日、西行の命日です。

 願わくば花のしたにて春死なん その如月の望月の頃

丁度、2月15日釈迦入滅の満月の頃、
桜の花の下で死にたいものだ、と西行は歌に詠みました。

西行の命日は自らの死を見事に予言するかのように、
文治6年(1190)2月16日であったといいます。
2月如月の望月の頃、桜の花の満開の下で、死にたいと願った通りに、
西行が往生したのを知った人々は感動し、深い感銘を受けたそうです。
この瞬間から、西行伝説が始まりました。

藤原俊成は西行の死に感じてつぎの歌を詠みました。

 願ひおきし花の本にて終りけり蓮(はちす)の上もたがはざらなむ

今年の3月15日の晩、北海道では月がきれいだったそうですが、
東京の空は曇り空で十六夜の月を見る事は出来ませんでした。
そればかりか、早咲きの彼岸桜系の桜が咲いていましたが、
西行が見ていたであろう山桜は固い蕾のままで、
いつ開くとは予測が付かないような状態でした。
何か、西行に騙されたような気がしてなりませんでした。

和歌山にお住まいの『かわうそさんの暦』のHPには
暦の事がいろいろ書いてあります。
旧暦から新暦に、反対に新暦を旧暦に計算してくれるページもあります。
http://koyomi.vis.ne.jp/directjp.cgi?http://koyomi.vis.ne.jp/reki_doc/doc_0726.htm

それによると西行の命日の文治6年(1190)2月16日を
新暦に直すと、1190年3月23日に当たるそうです。
http://www.saigyo.org/saigyo/html/nyujyaku.html
このHPでは西行の命日を3月30日と計算しています。


東京は昨日(21日)、気象庁から、東京の桜の開花宣言が出ました、
明日は満開の桜には少し早いですが桜の花は開いています。
西行の死んだ日も桜の花が咲いていた事でしょう。

桜を愛した西行には沢山の桜の歌があります。

 吉野山梢の花を見し日より 心は身にもそはず成にき

 おのづから来る人あらば諸共に眺めまほしき山桜かな

 花にそむ心のいかで残りけむ捨てはててきと思ふわが身に

 願わくば花のしたにて春死なん その如月の望月の頃
  
 仏には桜の花を奉れ 我が後の世を人とぶらはば

 木(こ)のもとに旅寝をすれば吉野山 花のふすまを着する春風

 風さそふ花の行方は知らねども惜しむ心は身にとまりけり
 
 花ざかり梢をさそふ風ならでのどかに散らむ春はあらばや


西行は月と桜の歌人と言われ、桜の歌を200首以上残しましたが
月の歌は600首以上だと云われています。
来年の御題は「月」なので、最近、「山家集」を読んでいるのですが。

以上


西行の命日の違いについて、
かわうそさんからご丁寧なメールを頂きました。
かわうそさんのメールをそのまま掲載します。

こよみのページのかわうそ@暦と申します。
偶然こちらの記事を読み、気になりましたので
西行の命日の日付につてい補足致します。
>旧暦から新暦に、反対に新暦を旧暦に計算してくれるページもあります。
>それによると西行の命日の文治6年(1190)2月16日を
>新暦に直すと、1190年3月23日に当たるそうです。
http://www.saigyo.org/saigyo/html/nyujyaku.html
>このHPでは西行の命日を3月30日と計算しています。
この二つの日付の違いですが、これはユリウス暦とグレゴリウス暦の違いによ
るものです。
こよみのページの「新暦と旧暦」のページは元々明治の改暦以降の新暦の日付
と旧暦の日付を変換する目的で作ったものなのですが、歴史的な日付を変換し
たいという要望があって現在は西暦1000年まで遡れるように拡張しております。
このため今回の西行の命日(1190年)の話も可能となったのですが、ここで少々
問題が有りました。
現在我々が普通に「新暦」と呼んでいる暦はヨーロッパ等で広く使われている
グレゴリウス暦と呼ばれる暦です。このグレゴリウス暦が使われるようになっ
たのは1582/10/15です。
それ以前はユリウス暦と呼ばれる暦が広く使われていました(グレゴリウス暦
はユリウス暦の改良版)。
このため、1582年以前の日付を論ずるときには注意が必要になります。
たとえば織田・豊臣時代に日本にやってきた宣教師の日誌などに記された日付
はユリウス暦によるものです(その時代にグレゴリウス暦は存在していない)
から、その時代の歴史的な日付を西洋の日付と対応させる必要が有るときには、
ユリウス暦である必要が有ります。この観点からすると
文治6年2月16日 は AD1190/3/23 (ユリウス暦)となります。
これに対して、「西行の命日は、現在でいえばどの季節の頃?」と言う視点で
考えたい場合は、現在日常に使われているグレゴリウス暦の日付に換算する方
が理解しやすい。この「現在で言えば」という観点からすると
文治6年2月16日 は AD1190/3/30 (グレゴリウス暦)となります。
こちらの考えからすれば、この当時グレゴリウス暦が存在していたか否かは問
題では有りません。
このように2つの日付が表れた理由は、用途によってどちらの暦に変換するの
が妥当かという利用目的の違いによると言えます。
こよみのページの場合「暦」がテーマのサイトですので、実際に存在した暦日
の計算を優先ています(ユリウス暦からグレゴリウス暦への変換は単純なので
必要ならご自分でどうぞというスタンスです)。
もう一方のサイトは西行が亡くなった時期を現在の暦日に換算することを優先
して、現在使用されているグレゴリウス暦をグレゴリウス暦誕生以前まで拡張
して考えています。用途を考えれば、これはこれで正しい選択です。
以上、2つの日付のことで誤解が生じないよう、補足させて頂きました。


桜の歌

「万葉集」を纏め始めたのは奈良時代(759年)、
東大寺や唐招提寺が建立された頃で、
「梅」の歌118首、桜の歌は44首で梅の歌が多かったのに
平安時代(905年)紀貫之に選ばれた「古今和歌集」では
「梅」の歌が18首に対して、桜の歌は70首と桜の割合が増えた。
桜の花が春を歌う花の主役になった。
 
有名な「伊勢物語」の中で、文徳天皇の皇子の惟喬親王は
水無瀬(現在の大阪府三島郡島本町)の別荘に
度々、馬頭(馬を司る役所の長官)であった在原業平など、
気のあった仲間を誘って、鷹狩に出かけられた。
ある年の春、水無瀬の対岸の交野という所の桜が
見事に咲いていたので、一行は狩を中止して、馬をおり、
桜の木の下で、宴会を始めてしまった。
宴会の余興に誰だか名前を忘れたが一首を詠んだという。

 世の中に絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし
                           
この歌を古今和歌集では在原業平朝臣の歌としている。
この歌に答えて「他の人」が次の歌を詠んだ

 散ればこそいとど桜はめでたけれ、浮き世になにか久しかるべき

この歌を詠んだ「他の人」の名前は今でも、わからないが
古今和歌集には惟喬親王が僧正遍昭に贈った歌として
次の歌が載っている。

 桜花散らば散らなん散らずとて ふるさと人のきても見なくに

惟喬親王は後に出家して不遇の生涯を送ったといわれている。
親王と「男の友情」で結ばれていた業平も、晩年は不運であった。

太政大臣藤原基経が40歳を祝う席で業平が詠んだ歌に

 桜花散りかひくもれ 老いらくの来むといふなる道まがふがに
                           在原業平朝臣

古今集は桜の花が散ってゆく様を詠んだ歌が多い。
平安時代の中頃から、藤原氏全盛の時代になり、
菅原道真に代表されるように、藤原氏以外の貴族たちには
名門の出でも出世の道は閉ざされてしまうようになった。
そのような自分達の境遇を貴族たちは
散りゆく桜の花びらに託したのではないだろうか。

  
 久方のひかりのどけき春の日に しづ心なく花のちるらむ
                            紀 友則

 桜花ちりぬる風のなごりには 水なき空に浪ぞたちける
                             紀 貫之

 花の色はうつりにけりな 徒に 我が身世にふるながめせしまに
                             小野小町

これらの歌は日本語として、軽やかなリズムがあり、美しい、
咲いた桜の花の下で、どの歌でも、つぶやいて見てください。
隣にそっと、業平が、小町が訪ねてくるかもわかりません。


以上

桜餅

「花よりだんご」向島・長命寺の桜餅の話題です。

 江戸時代、春になると隅田川の向島堤は
江戸で一番、花見客を集め、大いににぎわいました。
花見客を相手に、向島の長命寺で門番をしていた
山本新六が桜の葉を塩漬けにして、
小麦粉の餅で包んで売り出したのが桜餅の始まりと言われています。

当時、桜の葉の塩漬けは「山桜」の葉を使用したので硬く食べられなかった。
長命寺の桜餅は塩漬けの葉を伊豆に自生する「大島桜」の葉を使用したので、
葉が柔かく、香りも良く、葉まで食べられると評判になりました。
長命寺の桜餅の評判に、他の店も真似して、桜餅を製造しましたが
どうしても、長命寺の桜餅に適わなかったといわれています。

長命寺の桜餅屋で大島桜の葉を選んで塩漬けに使う事は
明治時代の中頃まで企業秘密にしていたといいます。

作家の樋口一葉や永井荷風は母上のお土産に
長命寺の桜餅を買いに行ったと日記に書いております。
正岡子規は学生時代、一年ほど、長命寺の桜餅屋の
2階に下宿した事があります。
一葉や荷風を真似て長命寺の桜餅をお土産にした事があります。
母は葉まで、食べられると感激していました。

三つ食へば葉三片や桜餅  高浜虚子

虚子は桜餅を食べた時、葉まで食べなかったようです。


関西の桜餅は京都、車折(くるまざき)神社の境内の
茶店「琴きき茶屋」が考案した「道明寺」が有名。
糒(ほしい)のもち米を乾燥させ、細かく砕いた粉を道明寺粉という、

関西の桜餅は餡が中に有るのと無いのがあり、原料はもち米
関東の桜餅は漉し餡と粒餡があり、原料が小麦粉という大きな違いがあります。


以下読売新聞の記事から、

桜もち 300年の味 「花びら」にモッチリ感

浅草から向島に至る隅田川沿いに桜並木が続く。
向島の「長命寺(ちょうめいじ) 桜もち」は、土手沿いにある店で、
江戸時代に桜もちを考案し、現在も、一年中、桜もちだけを作っている。
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/food/kanmi/20060316gr01.htm?from=os1

http://osaka.yomiuri.co.jp/sakura/read/sr_read04.htm


東京・銀座各店の桜餅
http://www.ginza.jp/tokushu/vol-14/index.html

PCでモーツァルトを聞く

インターネット図書館「青空文庫」を開けると
インターネットで繋がってPCで名作が読めるように
http://www.aozora.gr.jp/

クラシック音楽をPCで聞けるHPをお知らせします。
音源はSP時代の録音が多いのですが
演奏は今では伝説的演奏家の名演奏です。

{クラシック音楽へのおさそい}
  ~ユング君のホームページ~
http://www.yung.jp/index.php
http://www.yung.jp/yungdb/kousin.php

最近、更新された
Vn:シュナイダーハン P:ケンプ 1952年9月録音
ベートーベンのヴァイオリンソナタ全集は
どの演奏も素晴らしいですが5番のスプリング・ソナタは
今の季節にぴったりです。
http://www.yung.jp/yungdb/kousin.php
この他にクライスラーの演奏もあります。

シュナーベルの「ハンマークラヴィーア」 1935年録音
現代のポリーニの演奏と比べると「長い、飽きちゃう」という
批判が聞こえてきそうですがじっくり聞いていると
微妙な緊張の上にのっかって進む音のつながりは
六世歌右衛門が「政岡」の飯炊きを演じた時のように、
舞台に一点の揺るぎも見せない、考え抜かれ、無駄のなかった、
一連の所作の動きに通じるような演奏に思えてなりません。
http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=175

プッチーニでは今、流行りの「トゥーランドット」は聞けないけれど
「蝶々夫人」「トスカ」「ボェーム」の抜粋が聞けます。
http://www.yung.jp/yungdb/index.php?cent_id=4&comp_id=38&category_id=9

ショパンやブラームスも入っています。
http://www.yung.jp/yungdb/index.php?cent_id=3&comp_id=27&category_id=4

さて、モーツァルトは
http://www.yung.jp/yungdb/index.php?cent_id=2&comp_id=10&category_id=1

協奏曲ではクラリネットの「グットマン「ウラッハ」「ケル」
ピアノは「ハスキル19.20番」「リパッティの21番」「カサドジュ24番」その他
フルートは「モイーズ」 それにホルンの「デニス・ブレーン」
ヴァイオリンは「ティボー」に「ハイフェッツ」と
懐かしい名前の往年の名演奏家の独奏で聞けます。
http://www.yung.jp/yungdb/index.php?cent_id=2&comp_id=10&category_id=4

オペラは抜粋ですが「魔笛」「フィガロ」「コジ」「ドンジョバンニ」が聞けます。
特にフリッツ・ブッシュ指揮 グラインドボーン祝祭管弦楽団&合唱団の
「コジ」「ドンジョバンニ」は聞き物です。
http://www.yung.jp/yungdb/index.php?cent_id=2&comp_id=10&category_id=9

なによりも嬉しいのはギーゼキングが演奏するピアノソナタの他に、
リパッティが演奏するK310のピアノ・ソナタも入っています。
http://www.yung.jp/yungdb/index.php?cent_id=2&comp_id=10&category_id=7

アンコールはリパッティのピアノでバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」
http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=79

何かのおり、覗いてみてください。
下記のアドレスです。
{クラシック音楽へのおさそい}
  ~ユング君のホームページ~
http://www.yung.jp/index.php
http://www.yung.jp/yungdb/kousin.php

日本モーツァルト協会(モーツァルト生誕250年記念演奏会)

日本モーツァルト協会例会のお知らせ
モーツァルト生誕250年記念演奏会
 2006年1月27日はモーツァルトの250回目の誕生日です。

日 時:平成18年1月27日(金)  午後6時15分開場
                      6時45分開演
場 所:東京・上野 東京文化会館小ホール
出演者:アンサンブル・アマデウス・メトロポリタン
     坂本 徹指揮 東京クラシカルシンガーズ+会員有志
     小泉惠子(S) 佐久間由美子(Fl) 吉野直子(Hf)

曲 目:Ⅰ 合唱  モテット「神はわれらの避け所」 K.20
            アンティフォナ「まず、神の国を求めよ」 K.86

     Ⅱ 交響曲 ヘ長調 K.Anh.223(19a)
        交響曲 変ロ長調 K.22

     Ⅲ コンサート・アリア「誠実に身を保つて」 K.23他

     Ⅳ フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K299他

臨時会員券 4500円

主 催: 日本モーツァルト協会  電話03-5467-0626

「日本モーツァルト協会のHP」
http://www.mozart.or.jp/home/home.html


「花の会」冬期古典鑑賞公開講座のお知らせ

「花の会」古典芸能鑑賞講座のお知らせ

「花の会」は20年前、古典芸能大好きの主婦たちが
狂言師の善竹十郎さんに世阿弥の『花伝書』の講義を
お願いした事から始まりました。それから、20年、
「日本の古典芸術をより身近なものとして理解し、
人生の糧とすべく共に学び楽しむ」をモットーに
続いている古典芸能鑑賞公開講座です。

講師の方がたは何らかの形で芝居の現場の経験がある方です。
私のように芝居を客席からしか見た事がない人間は
芝居小屋の内側から見るお話が聞けて、とても勉強になります。


Ⅰ日時:1月12日(木)午後2時~4時  
              演題:「今年の文楽展望」
              講師:歌舞伎・文楽解説者 高木秀樹氏
              会場:世田谷文学館 2階会議室

Ⅱ日時:1月26日(木)午後2時~4時
              演題:「源平争乱のはざまに生きた人々」
              講師:花の会会員 矢口シゲ氏 
              会場:烏山区民センター第四会議室

Ⅲ日時:2月2日(木)午後2時~4時
             演題:「琵琶の伝来について
             講師:薩摩琵琶演奏家 籐内鶴了氏
             会場:未定

Ⅳ日時:2月16日(木)午後2時~4時
            演題:「座元の家々Ⅲ」
            講師:国立劇場文芸室長 石橋健一郎氏
            会場:未定

Ⅴ日時:3月9日(木)午後2時~4時
            演題:「新歌舞伎Ⅰ」
            講師:明治大学教授 神山 彰氏
            会場:未定

Ⅵ日時:3月23日(木)午後2時~4時
            演題:「新歌舞伎Ⅱ」
            講師:明治大学教授 神山 彰氏
            会場:未定

第一期分会費 4000円 (単独受講は1回900円)